お焼香の作法
大冨山 翠巖寺
お焼香の作法
お東の場合
通夜やお葬式の席で、いざ自分の番が回ってくると「お香は何回だったか」「指は額まで上げるのだったか」と、ふと手が止まってしまう。そんな経験をされた方は少なくないと思います。
お焼香の作法は宗派によって異なります。ここでは、真宗大谷派(東本願寺)のお焼香について、一連の流れを、ご一緒に確かめておきたいと思います。いつでも見返していただける、いわば「手元の一枚」になればさいわいです。
真宗大谷派の二つの特徴
真宗大谷派のお焼香には、覚えておくとよい特徴が二つあります。
一つめは、お香をくべるのは"2回"だということです。同じ浄土真宗でも、本願寺派(お西)は1回ですが、大谷派(お東)は2回となっています。葬儀社の案内や一般のマナー本は本願寺派の1回で書かれていることもありますので、ご注意ください。大谷派は"2回"、と覚えておきましょう。
二つめは、つまんだお香を額に「押しいただかない」ことです。お香を指でつまんでから額のあたりまで掲げる所作を「押しいただく」と言いますが、真宗大谷派では額には掲げず、つまんだらそのまま香炉にくべます。
一連の流れ
最初から最後までの流れを並べます。まずは要点を三つの場面で。
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仏前に進み、ご本尊を仰ぎ見ます。
このときは、まだ合掌はしません。まず阿弥陀さまを仰ぎ見ます。
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お香を、右手で1回つまんで香炉にくべます。
香盒(こうごう・お香の入れ物)から右手の指でお香をつまみ、そのまま香炉に入れます。額に押しいただくことはしません。このとき、左手は卓(焼香机)に軽く添えます(御門首の所作に合わせているらしいです)。
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もう一度、同じようにつまんでくべます。
これでお香は2回です。
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乱れた香盒のお香を、右手の指の平でそっと均します。
次の方が使いやすいように、軽く整える心づかいです。
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合掌し、お念仏(南無阿弥陀仏)を称えます。
合掌はこのタイミングです。お焼香の「前」ではなく「後」に手を合わせます。
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合掌をほどき、頭を下げて礼をして(頭礼)、もとの席に戻ります。
ご自宅での法事では、香炉を順に回す「まわし焼香」になることもあります。その場合も、香炉が自分のところに来たら、同じように二回くべて合掌・お念仏をし、次の方へ静かにお回しください。
おわりに
作法は、心を表すための「かたち」です。とはいえ、たとえ回数を一つ間違えたとしても、それで何かが台無しになるわけではありません。大切なのは、その所作の一つひとつが、私たちを仏さまの前へと向かわせてくれる、ということです。
合掌